優良不動産を買うための情報収集法

みなさん、家電製品などを買うときは、良いものを安く買いたいですよね。

一戸建てや土地も同じように考えがちなのですが、マンション以外の不動産においては、あまり安く買うことを優先すると優良物件を逃すことになります。

なぜなら物件は1つしかなく、優良物件は希少価値があるので、ほかのライバルと競合した場合、値引きはあまり期待できないからです。

ここで、なぜマンションは除外されるかというと、マンションは同じ立地であることはもちろん、同じ間取り、同じ設備のものが複数あり、供給が需要を上回れば値引き要請が通ることが多いからです。分譲地に建つ建売住宅なども同様の考えですが、一戸建ては土地の区画によって面積や方角なども異なりますので、多少の値引きは可能でしょうが、マンションほど叩き売りにはなりません。

では、一戸建てや土地の優良物件を入手するにはどのようにすればよいでしょうか?

答えは、不動産屋をじょうずに利用するということになるのですが、これを理解するために、不動産屋の手数料の仕組みから説明しておきましょう。

◎不動産屋の手数料の仕組み

片手と両手 
片手:売主と買主いずれかから手数料をいただく。 
両手:売主と買主両方から手数料をいただく。
片手の手数料率は、物件価格×3%+6万円+税
 1千万円の物件の場合、片手で39万6千円
 両手だとその倍額

・一般媒介と専任媒介
一般媒介:どこの不動産屋でも仲介できる。 
専任または専属専任媒介:その不動産屋が売主側から直接依頼され、ほかの不動産屋は買主探し(客付け)のみ。

さて、では具体的にどのようにすれば、優良物件と出合えるでしょうか?

1.不動産屋から情報をもらう

本当に良い物件は、実は広告される前に決まってしまいます。それは、不動産屋はまず隣地の方にお声がけすることが多く、その場合、かなり高確率で成約するからです(隣の土地は借金してでも買え、という言い伝えがある)。

隣地の方は自分の敷地が延長されて広くなったり、道路付けが良くなったりして複合的なメリットがありますから、他の人に買われないよう、よほど割高でなければ大きく値切ったりはしないのです。

隣地の方が買わない場合は、不動産屋はお得意様に声掛けします。お得意様は、過去に複数物件を買ってくれている方で、法人だったり、大富豪だったりで、この方々もむちゃくちゃな値切り方はされません。さらに、キャッシュ(現金)で買われることが多く、めんどくさい住宅ローン審査などがありませんので、話がトントンと進みます。

さて、そのようなアドバンテージがない一般人の方が、こういう優良物件情報を得たい場合は、ぜひ常日頃から不動産屋さんに出向いて仲良くなっておくことをお勧めします。

不動産屋も買うか買わないか分からない一見さんの客に、大事な物件をかきまわされたくありません。また、非常識にも知り合いだからなどと別の不動産屋を連れてくる人がいます。不動産屋の数が増えれば、手数料の取り分が減りますから歓迎されるはずがありません。
このようなお客は、適当な理由を言われてまず取り合ってくれないでしょう。

不動産屋さんに足を運ぶことはもちろんですが、彼らに信用してもらうことも大切です。「必ず仲介は御社にお任せする」と約束すれば安心してもらえますし、できれば現金で買う、もしくは銀行でおおよその融資枠をもらっておくと更に信用度が増すでしょう。

さて、運よく不動産屋からいい物件がでたよ、と連絡が来たとします。しかし、手放しで喜ぶわけにはいきません。その物件が、依頼している不動産屋さんが直接売主さんから依頼されている(元付け)ケースと、他社が売主さんから依頼されているケースがあります。

前者(元付け)の場合は、価格交渉もしやすいうえ、一度話が決まればキャンセルされることは少ないのですが、後者の場合、売主に付いている業者は、両手のチャンスを逃して、手数料を他の業者に持っていかれたくないので、なんとか自分でお客を見つけようとします。

ですので、ほかにお客がいれば、あなたはキャンセルされる恐れもありますし、値交渉にも応じてくれないことがほとんどです。

このような場合に、情報をくれた不動産屋をとばして、売主をつながっている不動産屋に直接交渉しに行く人がいますが、それは業界的にルール違反であり、ブラック客として、もう二度と情報をもらえなくなります。なんとか、情報をくれた不動産屋に上手に動いてもらえばと思いますが、断られたら諦めることも肝心で、次の物件情報に期待しましょう。

2.広告から探す場合

稀少物件は広告に載る前に売れることが多いのですが、専任媒介を受けた場合は、不動産流通機構(レインズ)へ登録せねばならず、登録の際にネット広告も同時に出稿するときがあります。

ただ、タイムリーに情報をゲットしないと他の人に取られてしまいますので、アットホームSUUMOなどで、あらかじめ自分の欲しい物件条件を登録しておき、物件が新規掲載された際にメールが届くようにしておけば便利です。

ただ、この場合でも専任媒介なのか一般媒介なのかをよく広告で確認しておきましょう。同じ物件を複数業者が出している場合は、迷わず専任媒介の業者に連絡すべきですし、一般媒介の業者しか広告していない場合は、売主と直接話をしていそうな業者を見極めて連絡してください。売主とつながっている業者は、たいてい現地で看板を付けているところが多いです。

3.競売物件を落札する

不動産競売情報サイトにて、競売情報を入手し、欲しい物件があれば、そのスケジュールにそって入札します。あなたが一番高かった場合その物件を手に入れることができます。

しかし、競売にはプロや怪しい輩がうごめいており、一般の方では落札は非常に難しいようです。また、運よく入手できても、建物がひどい状態であったり、事故物件の可能性もありますから、おすすめはしません。僕などは、縁起が悪いので、そのような破産案件は自分では買いません。

4.金融機関から情報をもらう

銀行などと直接取引している法人や自営業者さんなら、銀行の担当から情報をもらえることもあります。なかには、競売前の不良債権などもありますが、この場合は安い場合もあれば、銀行の債権回収のために、むしろ割高の場合もあります。良い情報があった場合でも、直接取引はせず、トラブル回避のために必ず不動産屋を入れることをお勧めします。

今の時代、コロナショックで不動産を処分して現金化しようとしている個人や法人が増えていると思います。失礼ながら、買う側にとってはチャンスですので、条件の良い土地や家を探したい方は、さっそく行動してみましょう。